今回は、薪のサイズのお話です。
薪ストーブオーナ達にとって薪作りはライフワークとも言えます!
ほとんどの方は、今お使いの薪ストーブのサイズに適した独自の規格で薪を作られているかと思います。
特に、カタログには「このストーブには最大〇〇センチの薪が入ります」と、書かれていますね
薪の長さに関しては、なんだか長い方が良い様な印象を受けます。
でも、そんな事は無いのです
日本には薪の規格がありませんが、薪ストーブ先進国の北欧やドイツにはしっかりとした規格があります。
そのサイズとは、長さは30cm 太さは一辺7~8cm となっています。
因みに、使用する薪ストーブの大小に関係はありません。
では、作ってみましょう!
サンプルは、直径 14cmの丸太です
「えッ、これくらいなら割らなくても大丈夫!」と、思っている方はいませんか?
長さは30cmです。
薪割り機で先ずは半分に割ります!(斧でも割れるのですが・・・笑)
そして、更にその半分に割ります。
アッと言う間に、丸太が4分割されました。
一辺は7~8cmです。
さて、ここで丸太との違いはなんでしょう?
答えは、同じ質量でも表面積が違うことです
つまり、丸太の表面積は・・・、
円筒部:0.14直径x0.3高さx3.14=0.131m2 ・・・ ①
小口部:0.07半径x0.07半径x3.14x2面=0.03m2 ・・・ ②
①+②=0.161m2 ・・・ ③
4分割の表面積は・・・、
断面分が増えたので 0.14直径x0.3高さx4面=0.168m2 ・・・ ④
③+④=0.329m2 ・・・ ⑤ と、なります。
つまり、⑤÷③=2.04
4分割に割ることで、なんと表面積が2倍以上になりました
ここで重要なことは、丸太に比べ質量が同じなのに表面積が2倍なので、より少ない酸素で
効率良く燃焼させる事が可能なのです。
つまり、薪ストーブの運転時に吸気レバーをより絞る事ができるのです!
これにより、薪の燃焼時間は長くなり、煙道内の流速が落ち排気される熱も減るため薪ストーブ本体に
しっかり熱がこもります。
丸太=長時間燃焼 は間違いです。
丸太を燃やすには大量の酸素が必要です(丸太のままでは何年置いても未乾燥)。
そのまま吸気レバーを絞ると燃焼は終わり、いぶしている状態になります。
本来の燃焼ではないために、スス・タールやクレオソートが生成され、メンテナンスを極めて困難にします
薪ストーブ先進国が定めた規格には、しっかりとした理由があるのですね
同じ原木を良質な燃料にするもの、粗悪な燃料にするのも正しい知識次第です!
本当に??と、思っているユーザーさんは是非一度試してみてください。
今お使いの薪ストーブの性能が、一段とUPするはずです
福岡県柳川市で二期工事(薪ストーブの設置)を行いました!
すっかり内装も仕上がり、立派な炉台が完成しています
薪ストーブは、廊下の掃き出しに横付けしたトラックより直接搬入します
外から見るとこんな感じです 偶然にも高さが合っていました!
廊下を通り・・・、
リビングに到着しました。
薪ストーブは、ご存じバーモントキャスティングス社 アンコールのホーローレッドです。
さて今回は、オーナー様のご希望で室内煙突をホーローレッド色に塗装しました!
ウォーミングシェルフを取り付けて完成です!
色もバッチリ合っています
存在感があるホーローレッドのアンコール、炉台の雰囲気ととても合っていますね
すぐにでも火を入れたい気持ちを抑え、秋が終わる頃まではどうぞ我慢をお願いします!
ついに、煙突屋さんにとって大敵の梅雨が明けました
待ちに待っていた煙突工事が再開です!
と、言う訳で、煙福岡県久留米市の新築住宅で一期工事を行いました。
チムニーフラッシング仕様なので、低めの煙突囲いを造作して頂いたのですが・・・、なんとなく未完成
急きょ、不燃材で防火区画を仕上げて頂きました
水平・鉛直に注意を払い、煙突固定金具を取り付けます。
続いて煙突の固定です
屋根勾配が0.5寸と大変ゆるやかなので、安全に様作業が進みます。
雨仕舞いフラッシング(特注サイズ)を被せて・・・、
ストームカーラーと丸トップを取り付けたら、外部の雨仕舞い工事が・・・、
完成です
さて、まだ午前中にもかかわらず屋根の温度は70℃を超えました
素手で作業をすると危険な温度です!
薪ストーブの設置は二階となりますが、個人的にも完成が楽しみな建築です!
と、言うのも、重量鉄骨構造に匹敵する強度を、丸太と特殊プレートを組合わせて実現しているからです!
構造の梁と柱を意匠としても見せています。
丸太と特殊プレートの引き抜き強度は実に16トンに及びます
鉄骨造には必要なブレスが不要
もちろん、火打ちや筋交いも不要
丸太は製材もしないので、材料の強度が一番優れています。
と、まあ筆者的には驚きの連続です
そんな建築を手がけるのは ↓ ↓ ↓
設計・管理・施工:株式会社 キャス企画設計
九州では梅雨も終盤、博多祇園山笠が本日のフィナーレを迎えると、やがて梅雨も明けます!
櫛田神社境内での豪快なターン! 出典:山笠ナビ
さて、そんな雨の合間を縫って、福岡県糸島市の新築住宅で二期工事を行いました!
搬入は、勝手口から
しかし、台車の幅がギリギリです 慎重に通過します。
薪ストーブは、このたび惜まれつつも生産が終了しました スキャン社 アンデルセン10です!
安全離隔距離を小さく取れる優秀な対流式の薪ストーブでした
こちらの個体は、予約を受け付けておりました弊社在庫分からの設置となりました。
さて次の現場は、直線距離にして約1000m離れたところにあります。
間には田んぼが広がり、なんとお互いの煙突を目視できるのです
まるでスイッチバックの山岳鉄道のごとく、ベランダより搬入です。
こちらは新築の住宅ですが、弊社にて炉台の施工を行いました
餅屋は餅屋と言うことで、工事やデザインのお任せをさせて頂きました!
さて、設置が完了しました薪ストーブは、ご存じバーモントキャスティングス社 アンコールです!
左右にウォーミングシェルフを取り付けた姿は、やはり存在感があります
福岡県福智町の古民家で、リフォームに合わせて薪ストーブを設置しました!
先ずは煙突位置を決め、その周辺部の瓦を解体する訳ですが・・、
こちらの屋根は、全ての瓦がビスで固定されています 台風対策バッチリです
と、言う事は瓦の解体が大変なのです 「やおいかんですたい!」 (大変難しく骨が折れる)
さて、野地板が現れたところでカットです
ルーフィングはキレイな状態でほとんど傷んでいません
煙突を固定して一枚目のフラッシング(アルミ製雨仕舞い金物)を取り付けます。
煙突の固定は鉛直が最も重要ですので、再度確認
そして、二枚目のフラッシング(鉛製雨仕舞い金物)を取り付けます
和瓦と相性が良い鉛製です
水の流れを考慮しながら、瓦と組み合わせていきます。
瓦の復旧工事が終わり、外部の煙突が完成しました
立派な棟に囲まれながらも、実に違和感無く納まりました
月日は流れ、季節は初夏となりました。
この日はいよいよ薪ストーブ本体の搬入です
二階天井まで下りてきた煙突です。
化粧カバーで見えなくなりますが、防火区画内に振れ止め金具で確実に固定しています!
炉台もバッチリ仕上がっています
今回、重量級の薪ストーブは玄関から搬入されます
その薪ストーブは、ノルウェー製 ヨツール社のF500です!
弊社倉庫での実測重量(口元・ヒートシールドを含む)は 約190kg なり。
実は、抱えた重さの感じが、カタログ値と違うストーブもあるので計測してみましたが・・、
F500の場合カタログ値 200kg ですので -10kg でした
だからと言って、何も問題はありませんのでご安心を!
さて、話が横道にそれましたが、F500は炉台の前に到着しました。
画してF500 は、はるばるノルウェーより船で海を超え、トラックに揺られ、台車から最後は人の手でこの炉台に
下ろされて、見事に納まりました
この秋から良い仕事をしてくれることでしょう!
設計・施工:株式会社ハウスランド社
福岡県柳川市の新築住宅で、一期工事を行いました!
薪ストーブが納まる炉台です
煙突囲いの中に納まる、都合8本の断熱二重煙突です 重さは一本9㎏なり!
それを、どうやって取り付けて行くのでしょう?
今回の煙突形状は角トップです。
取り付けベースを固定して・・・、
それを足掛りに、やぐら(筆者考案)を組むのです (久々の登場です!)
そして、10m下の炉台から煙突を吊り揚げるのです
今回も良い仕事をしてくれたのは、ペツルのアッセンダーと50mのザイルです。
しかもこのザイル、友人からの頂きものですが、なんと!冬のマッキンリー(アラスカ州)登頂に成功した際に
使用していた大変縁起が良いものです
さて、炉台の上でジョイントを繰り返された煙突は・・・、
楽々作業で、しかも安全に10mの高さまで吊り揚がってきました
規定の高さで煙突を固定して、フラッシングを取り付けます。
ルーバーを取り付け・・・、
防鳥アミや水切りカーラーを固定すれば・・・、
外部煙突の雨仕舞い工事が完成です
周囲には、田植えの準備で水を張り始めた田んぼが広がっています!
さて登山用品、煙突工事との共通点は、高い所で安全・確実に作業をするための道具だからか、かゆい所に
手が届くモノがそろっています
ストーブ屋さんでは常識か!?